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キーホルダー

りんご箱のアップサイクルプロジェクト 「又幸」のキーホルダを作りました。
いろんなアイディアを考えましたが、なぜか、この又幸のデザインに関しては、結局こういう何でもない、スッキリしたものに行き着きます。
それは結局、りんご箱そのものが元々持つ、潔さみたいなもが、そこに導いてくれるのかもしれません。

りんご箱は、上から見ると2:1の長方形ですが、各板の厚みは、長い方の側板と底板は3分(9㎜)、短い方の妻板は4分(12㎜)と、厚みが違います。
妻板は、長手板と底板からの3方向からの釘打ちを、一手に引き受けます。
少し厚いので釘を受け入れやすくし、またりんごを満載した箱を重ねた時の加重も、妻板がしっかり受け止めます。
りんご箱がりんご箱として機能するための役割を、製造面でも、機能面でも、しっかりと担っています。

キーホルダはこの妻板の厚さ4分を強調して、幅を12㎜にそろえて12㎜角のシンプルな形にしました。
断面は、まだまだきれいな木の木肌が出てきて、側板を留めていた釘の穴が残ったりしています。
妻板は、市場でマジックやチョークで書かれた仲買の記録や、屋号などのサインが残っていることが多くて、すべてではありませんが、そういった痕跡を生かして切り取っていきたいと思っています。
時には、きっと農家の子供が描いたであろう、鉛筆でしっかり描かれた、かわいらしい絵が残っていることもあります。

りんご箱を扱うようになって、そのシンプルながら理にかなった構造に関心するばかりです。
製造方法も、安く、強く、安定的に規格が整った、これ以上省くものはない、究極に経済的で美しい作り方をしていると思います。
そして、長年沢山の人の手を渡り歩いて刻まれた歴史と、木そのものの経年変化。

又幸の商品は、そういう部分を程よく感じられるようなものでありたいなと思っています。
このキーホルダは、そのシンボルになるようなもだなと、並べたキーホルダを見て感じました。